前回まで虫歯の発症リスクに関する話でした。
今回からは、当院で行っている虫歯リスク診断から治療へ話が進んでいきます。
その前にまずは、新しい虫歯発症・進行の考え方と当院の虫歯リスク評価を紹介したいと思います。
以前の考え方は、
「虫歯菌を除去しましょ」「砂糖をとると虫歯菌が虫歯を作るので控えましょう」という考え方で、
これは間違いではないので否定はしませんが、
新しい考え方は、
「口腔内環境が口腔内のバランスを崩し虫歯になりやすい環境になることによって虫歯になる・虫歯が進行する」という考え方です。
「口腔内フローラ」を過去のブログで紹介しましたが、口腔内は各種細菌がお互いのバランスを尊重し合いながらお花畑のように共生しています。そのため、そのバランスが崩れたところで虫歯が新しくできてしまったり、小さかった虫歯が大きくなってしまったりします。
逆に、「口腔内フローラ」を整えてあげれば(バランスの取れた状態にすれば)、新しい虫歯ができたり小さかった虫歯が大きくなったりすることの予防ができます。
当院ではバランスが重要だと考えています。
バランスを知るために、当院では虫歯のリスク評価をしていただきます。
その検査結果から、現状の口腔内のバランスを評価し、そのバランスを整えるための治療を提案させていただきます。
検査としてはCAMBRA(Caries Management By Risk Assessment)というアメリカ発祥のリスク評価&マネジメントシステムを使って、口腔内をマネージメントしていますが、口腔内の環境を整えた後も継続が必要になります。口腔内環境は何らかの影響でまた変化してしまうからです。
継続というのは、定期健診や定期的なクリーニングをしていくということになります。
今回は、新しい虫歯の概念と当院の虫歯リスク評価についてでした。
次回は、CAMBRAの概要の話しへ移っていきます。